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【ぼくの県展回顧録】 第47回 平成5年(1993)高知県展                NO.23

県立美術館完成
全部門同時開催だったのか

芸術の秋が去り、美術館のオープンの都合に合わせた、12月という慌ただしい年の瀬の県展になった。なんだかんだの声を尻目に、県立美術館が高須の湿地に建ち上がったのだ。できてしまえば何を言ったって後の祭り、取りあえず新美術館での第一回が全館使ってということなら良いが、そんな約束事もなかったのだろう。常設展示抜きで、四苦八苦の部門割りをして開催に漕ぎ着けた。
 期待の後の不満に失望が交錯した師走の県展であった。会場委員として事務局を手伝うのも心が重いことがある。搬入は南西口から
審査員は初顔の江成常夫氏(元ニッコールクラブ会長)。ぼくは何度かすでにお目にかかって存じ上げていた。
 搬入者総数590人(50代146人、60代156人)。
作品総数1770点(カラー1489点)昨年より278点も少ない。
クラブ関係者は前年と変わらずの24人だが、作品数97点に減少していた。


 ぼくの作品は『聖眸―カトマンズの火葬場にて―』。
1990年ネパールの取材で撮影したモノクロを、来年の東京個展を契機に新しく全倍に仕上げたもの。

      第47回『聖眸―カトマンズの火葬場にて―』ネパール 1993年                    「目玉寺巡礼」ネパール


 褒状入賞は、岩崎定子の『長生きしてね』。病床の祖母を撮ったものだった。
 以下入選作品、
宮地幸『イベントの日』。金沢あけみ『ホリデー』。黒川和代『ファンタジー』。野村節子『秋想』。山崎静香『ウルトラC』。
明石正『塾帰り』。吉田公一『春景』。黒川二三生『水浴びせ』。五百蔵速喜『光る里』。大西一端『祭りのハイライト』。
毛利弘人『廃屋』。山村寿志子『LOVE CALL』。鍵山桂子『散華』。自作を前に
印象に残った特選は宮崎益幸氏の『時間旅行』。6×6版サイズで決めたモノクロ作品。
恐竜の絵、遊園地の遊具や木々の構成や光、不思議な世界へ誘い込まれていくような思いで見たことを覚えている。
「審査は技術、モチーフ、オリジナリティーの3本柱で行った。写真はアートの通じる表現と時代を読む記録の二つの側面を持っていることを改めて言いたい。社会のひずみにレンズを向け、時代とは人々の生活に目を配ることが大切だ」(審査総評より)


 新たな県展会場になったことで、無鑑査が県展目録の最後に雑感を書かせていただいている。
 ぼくは「永年なじんできた郷土という古い器を捨てて、今日より新しい美術館に移り住む。作品たちが居心地良い場所を得て輝いてくれることを誰しも願うところだ。が、ここもまた、部門により展示場の制約があり、出品者にも鑑賞者にも思惑違いが生じることだろう。積年の夢は夢、現実とのギャップを埋めるのはこれからのようだ。」と写真部門の展示場が1階2階とも廊下になると決まった時点、5月末からの危惧を含んだ上での雑感になっている。結果的には、8部門同時の搬入問題、最悪の逆光と設備なない廊下の照明、こんな筈ではなかったとの不評など沸き起こり、翌年は前期後期2期制になるか。