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【ぼくの県展回顧録】 第55回 平成13年(2001)高知県展               NO.31

コラージュは初の試み

 回顧録と言うには余りに最近過ぎて相応しくもない。その年々歳々どんなことが起こったかさえ、まだ5年も過ぎてないことなのに、殆どがおぼろな彼方に去ってしまったようで悲しいかな思い出せないことが多い。
 今年の審査員は立木義浩氏、隣の徳島県出身なのだから、その期待度は高かった。それも講評会の席上に崩れ去った。
 審査員を推薦するのは我々参与だ。それは多くの出品者、燃える挑戦者たちを代表して、この人にと1票を投じなければならない。参与の個人的な嗜好より、日頃写真愛好家の声などよく聞いていて、それが反映できるようなものでなくてはとぼくは考えている。でなかったとしても、多数決で我々が選抜し呼んだ審査員だから、その結果は甘受しないわけにはいかない。
 初っぱなの言葉は「私の審査になんで阿波踊りの写真をぶつけて来るんだ。すべて落としたよ」だった。相手がアマチュアだってこと忘れてないだろうか、我々には選択眼がないから、審査員の審美眼でもって優しく説明して欲しいんだよ、と言いたいところだ。虫の居場所でも悪かったのだろうか。後は書かぬが花か。
 新聞の審査評には、一瞬の仕業で訴える「一人3、4点出品しているが、ピックアップできるのは1点だけ。この人のものは何点かほしくても、後は流れてしまう。1枚写真だけで表現するのは二〇世紀で終わった。」そうな。
搬入者総数633人(184人、50代177人、60代193人)。
作品総数1971点(モノクロ193点)。クラブ関係、31人、145点
入賞者無しで入選は次の通り。惨敗だった。
宮地幸「リ・サイクル」。東富晋幸「寒村の少女」。山崎静香「姉二十歳」。高瀬宏「アクシデント」。上杉欣弘「春を迎える」。川村光顕「親離れ」。松田一義「扇の舞」。上田美和「微笑」。武内忠昭「有実子の宇宙」。依光淳子「バザールへ(パキスタン)」。
 ぼくの作品は『挽歌=印度・大沐浴祭にて』。
12年に1度のアラハバードのクンブメラ取材から生まれたコラージュフォト。悠久の時間の流れを1枚に表現したかったもの。当日は500万人ともいわれた人間の渦の中に巻き込まれて、撮影行脚だった。その中にあって人はそれぞれに自分の持ち時間を生きている。涼しい顔をして紫煙をくゆらせているこの男の時間に羨望さえ感じる。過去と未来の間にある時の長さの違いを思い知らされる。同じ顔での重複が欲しいためコラージュ作品になった。


第55回『挽歌=印度・大沐浴祭(クンブメラ)にて』インド アラハバード 2001年

モノクロ劇場『クンブメラ・ガンジスの大沐浴祭』 〜27枚の写真〜

▽ 自動で27枚の写真をスライドショーでご覧いただけます。早送りしたい場合は、写真の左右の矢印をクリックして下さい。

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 この年から、特選褒状作品の解説に幅を持たせようと、ぼくなりに入賞の作者に電話することにした。使用カメラやレンズ、フィルムやデーター、撮影状況などを聞いてみる。在宅であれば、ほとんど皆さん快く答えてくれる。前夜祭で入賞者に会えたら、その場で解説のネタ探しをする。
 審査員から解説できるような参考評が仕入れできなかったから、この場の窮余の一策として考えついたぼくなりの資料集めだったが、その後にいい結果をもたらすことになった。
 次に2002年1月会報年頭の言葉を入れる。2001年を振り返って結構書いてあるので。(267号より)

                     双樹の会30周年記念社俳集出版

 今年は早々からクラブ展ですね。相談のあった人もそうでない人も、準備が整いつつあろうかと思います。まだ撮影中の者もいるでしょうが、クラブ展ならではの写真を頑張って下さい。
 会報に年頭の言葉を送った者は、それなりに言葉を選んで綴ったことでしょう。それも、写真の一齣のようにしっかりと、プロセスがたどれるように貴重な言葉として会報に残ることでしょう。反省があり、夢があり、決意もあるかも知れません。それぞれに、どんな自分の言葉で語られているかが楽しみです。
 書かなきゃ書かないで、事足りることだし、それも良しとしましょう。でも今年の言葉は来年生まれ出ないということです。今がシャッターチャンスだったように‥‥‥。そのときどきを大切に生きたいと思います。
 チャンスといえば、2001年は海外へ3回も飛び出していました。
 1月、インドは12年経たないと次回は巡って来ない、そんな稀なチャンスでした。僕のために企画してくれて、間もなく亡くなられた旅のコンダクター近藤さんへの、弔いと供養の悲しくもある思い出深い旅になりました。
 8月、西安からカシュガルへのシルクロードは、インドの旅で復活した辻村さんとの縁で、僕のために企画してくれた嬉しい旅でした。20年前、辻村&植田コンビの「灼熱のシルクロード」に参加して、1回目の県展特選を掴むチャンスをいただいた思い出があります。植田先生が亡くなられて1年、そんな感慨を抱いての、これも印象に残る旅になりました。
 3月、再訪のスペインから、初めてのイスラム圏モロッコ訪問、県美協の研修旅行でした。イスラムはカメラに「ノーッ!」と答えが返ってくるお国柄、カメラマン泣かせの旅が続きました。
 9・11 NY多発テロ。8月末には、アフガニスタンの国境近く3500メーターの雪を頂いた山を間近に眺め、美しいカラクリ湖を前に昼食を取ったことを思いだします。あの僕たちが事もなげに通過したパキスタンへ抜ける検問所は厳しくなっていることでしょう。
 7月には、幡多高新文化教室開講で、中村市へ月2回出向。熱意のある18名の受講生が、一丸になって作品展に取り組んでくれたのは嬉しいことでした。
 9月からは、高知市民学校写真教室が旭文化センター(木村会館)で虎の子の土曜日を献上、始まりました。前任者の佐竹一七さん亡き後を務めることにしたのです。27名の写真好きの皆さんの集まり、作品発表も事情心得のお世話役が率先して先やりを務めてくれるので大助かり、いいグループです。次期は4月からの始まり。
 この12日には(土)毎日新聞高知支局でいよいよ日報連高知分会発足、20名の会員が揃い賑わう見通しです。
 クラブ展とダブるように、1月29日から、NHK3Qプラザで高新文化教室の作品展ができるよう申し込み完了。予定はこれからですが7月のも、ついでに申し込みました。自分にもプレッシャーをかけ、チャンスが巡りくるように写真仲間の会場を確保したわけです。
 2月予定通り運べば、11日から8日間インド、ネパールへ。募集中!


 年頭に1回しか会報に書かないでいると、いっぺんにたくさんのことを説明がましく書いてしまいます。見苦しく、読みづらいことでしょうが、1年のまとめと、2002年への思いも含めて記しています。
 年を重ねると、特に今年は新しい出発があろうなどと思いようがないところですが、ありがたいことに、昨年は、結構新鮮な触れ合いの場ができました。大切にしていきたいです。良い年になるようチャンスを生かしましょう。