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【ぼくの県展回顧録】 第35回 昭和56年(1981)高知県展              NO.11

植田正治先生との出会い 撮影ツアーに参加

この年、思いもよらない海外ツアーを発見した。写真家植田正治と行く『中国水郷の旅』(上海、杭州、無錫、蘇州を巡る)というもの。とにかく申し込みをした。羽田空港待合室で先生の前に立った時「ああ、夢ではない」と、確認しつつも夢見心地だった。カメラ雑誌でお見かけする柔和な笑顔、憧れの作家と共に旅ができるのだ。
 ゴールデンウィークを利用しての撮影。現地では毎晩ミーティングと称して先生の部屋に押しかける。包み込むような暖かい話の内容と語り口の魅力に取りつかれて部屋を尋ねるわけだ。この頃使い込んでいたベス単レンズの話、二科会写真部のこと、写真修業時代の思い出など、優しい言葉で話して下さった。
 ぼくにとって決定的な言葉は「一番身近な人たちに見てもらえる写真家展を是非やりなさい」だった。中央でのコンテストやカメラ雑誌の月例ではなく、あなたが帰って為すべきことはと、改めて諭されたような気がした。
 帰国間もなく、先生から4ツ切りサイズの作品2点が送られて来た。「個展為すべし」の言葉と受け止めた。
 個展『素顔の中国』を計画、準備に取りかかった。あたかも、その年は残留孤児第1陣が故国の土を初めて踏んだ年であった。
第35回 入選「饅頭を売る路地」中国 上海 1981年 新聞に個展模様が紹介されると、一般の人たちの関心は高く来場者がどっと足を運んでくれた。地元町内中央公民館(7月26日〜8月9日)が終わると、高知市内(8月11日〜16日)に会場を移しご覧いただいた。
よみうり写真大賞ではそんな作品が佳作に入り、県展入選作品は『饅頭(まんとう)を売る路地』が入った。さらに『絵金祭りの宵』(カラー)が何とか褒状入賞になっていた。町内の八王寺宮の夏祭りで、久々に組まれた手長足長猿の絵馬台に小龍と絵金の絵が掲げられた夕暮れ時に撮影したものだ。じっと見入る人、ブレて行き交う子供たち、蛍光灯や水銀灯や電灯光などほどよくミックスした明かりが絵馬台を照らしてくれていた。手に入れた『ミノルタCLE』で手持ちの試写をした作品だった。今回原版が出てきたので、25年前の入賞パネルと、現在のプリントを比較できるチャンスが訪れた。


 褒状入賞作品は岩崎定子『青春の譜』
 広角24ミリレンズを使って撮った1本のフィルムから4枚を抜き出した組み写真。体育祭の日の生き生きした青春群像だった。


入選作品は次の通り。
門田博道『影』。明石正『日曜市の人』。都築和郎『ホームイン』。甲原一『乱雪』。小原健天『仮装の老人たち』。岡村政則『カッパの子』。尾田正憲『ワンマンショウ』。門脇悟『敬老の日』。矢野一『山峡に生きる』。岩崎昭雄『職人』。『中国の少年』。

第35回 褒状「絵金祭りの夜」土佐山田 八王子宮境内 1981年


第35回県展特選3点は
恒石晃志氏『すずめ』。日本画だが、モダンなアートというグラフィックの感じで印象深く残っている。
飯田治仁氏『母子』。画面から溢れる優しさを感じ、期待したが、それっきりでその後作品を見ることがない。
白川喜一氏『雨上がり』。前回の特選作品が生まれた鏡川河川敷と思しき撮影地。堂々たる無鑑査人登場だ。 
 審査員は秋山庄太郎氏だった。
搬入総数は過去最高の1751点(組写真103点)、内訳は、モノクロ973点、カラー774点、当クラブから搬入した作品合計は110点(21人)